花蓮【完結】
「えええ?麻美、何相談なしに決めてんだよ」
そりゃそうだ。
私だって入る気なんか、さらさらない。
都はわからないけど。
「あんな生意気な奴、反対だね」
佐緒里が後ろで、鼻を鳴らして言う。
その言葉にかっちんときた私は振り向いて、真っ直ぐ佐緒里を見て叫んだ。
「そんなんこっちから願い下げだよ!」
睨みあう二人。
やっぱり間に入るのは麻美さん。
「佐緒里、こいつらが喧嘩して回ってるってのは言ったろ?」
「…ああ」
「それって、あたしらが最初に花蓮作った理由にぴったりじゃねえかよ」
「………」
黙った佐緒里は、悔しそうに奥歯を噛みしめた。
だけど、すぐにこくんと一度頷いた。