花蓮【完結】
理由…?



「…理由って?」


麻美さんは、ああ、と言うと私よりも、花蓮のメンバーに言ってるように話し出した。


「あたしらは、菜々美みたいなむやみやたらに喧嘩したり。
なんか、胸の内に溜めてる奴らの発散場所になったらいいって思って作ったんだよ」


そう言いながら、麻美さんはふっと笑って私を見る。


「友達とか、馬鹿馬鹿しいとか思ってる奴。
裏切られて信じられない奴に、花蓮だけは、あたしだけは裏切らねえって。
教えてやりてえの」

真っ直ぐな視線に捕らわれて、逸らすことなんて出来なかった。
同じように都も、張り付いたようにそこから動き出せていない。


「まあ、入らなくてもいいから…今日集会すっから来たら?」


金曜の夜。


この日が私の運命を、人生を、何もかもを変えたんだ。

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