花蓮【完結】
「…じゃあ、タイマンで勝ったら私らに敬語使って花蓮に入るってのどう?」
「はあ?じゃあ、私が勝ったらどうすんの?」
「なんでも言うこと聞いてやるよ」
「それ、嘘じゃねえだろうな」
「ああ、嘘じゃない。
なんならあの子、証人にしなよ」
そう言いながら、親指で都を差す。
「わかった」
私が頷くと、佐緒里はにやっと笑うと麻美さんを大きな声で呼んだ。
「麻美ーーー!」
すぐに麻美さんは振り向いて、返事をする。
「何ー?」
「あのさー菜々美とタイマンすっから」
「……はああああ!!??」
それを聞いて、すぐさま麻美さんが走り寄る。
息も切らさずにここまで来ると、佐緒里に食ってかかった。
「お前、何する気だよ!」
「こいつに勝ったら私らに敬語使って、花蓮入る。
こいつが勝ったら好きにさせる」
「……それ、で。
菜々美はそれでいいのか?」
佐緒里でなくて、私に麻美さんは問う。
私は静かに頷く。