花蓮【完結】

「…そうか」


がっくりと肩を落とすと、麻美さんは朱美を呼んで事情を説明した。


「佐緒里、お前まじ言ってんの?」

「まじだよ」

「……じゃあ、勝負着くまで私らが見守るから」

「それで結構」


それから、佐緒里は私を見ると

「今すぐ始める?それとも心の準備でもしたい?」

馬鹿にするようにまたそう言った。


まじで…。
何様なの?


「いつでもいい」

「じゃあ」


そう言って佐緒里は特攻服の上着を脱ぐと、拳を平手に打ちつけた。


「おいで」


にやっとまた笑う。


「…っくそ!うらあ!!!」


強く拳を握り締めて顔面に狙いを定める。

勢いをつけて全身の力をその拳に込めた。


バキイィィ!!!



見事、クリーンヒットした。
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