花蓮【完結】
はずだった。


もろ、顔面に入ったはずなのに。


佐緒里はぺっと血を吐くと、私をじろりと見る。


「…何これ、軽い、本気?」

「……!!!!」


本気、でいった。
ムカつく。


再度、殴りにかかるがそれは余裕で交わされてカウンターを喰らった。


「っ!!」


そのまま、腹にも一発入る。


「うげっ」


がくんと、腹を抑えたまま膝を地面につける。


「……は」


…何、これ?立てない。
どうして?
まだ、二発しか喰らってない。


「……立てよ」

「…………」


ふらふらと、どうにか立ち上がる。


だけど、すぐに佐緒里のパンチが私の顔面を捉える。

口から血を流しながら、どうにか踏ん張った。

…そのまま佐緒里を睨みつける。

< 336 / 368 >

この作品をシェア

pagetop