花蓮【完結】
「……て、め!!!」
痛みなんかお構いなしに私は佐緒里に飛びかかった。
そのパンチを片手で受け止められる。
「…私はタイマンだっつったよな」
ギリギリと拳を握る力が強くなる。
「あのさ、都。
あんたはこいつのプライド傷付けてんの。
自分のプライドかけて私に喧嘩売ったわけ。
だから、最後まで私とこいつで勝負するのが筋なんだよ」
横目で都を見ながら吐き捨てるように言う。
それから佐緒里は
「あ。
もしかして助けてもらいたかった?」
そうやって私を嘲笑う。
「!!!!」
…畜生、畜生、畜生!!!
「…都」
都の方を振り向かず、私は都に言う。