花蓮【完結】
「…手、出さないで。
何があっても」
「……菜々美」
それから何回も何回も、立ち上がれる限り私は佐緒里に向かって行った。
どのぐらい時間が経ったかわからない。
周りの花蓮達は何も言わずに、ただ私と佐緒里の決闘を見ている。
何度も、向かって行ったのに。
赤子をあやすように私は交わされて。
その度に何度もパンチを受けた。
最後の気力を振り絞って私は佐緒里に向かって、そのまま倒れ込んで意識を失った。
気付いた時には…。
自宅のベッドの上だった。