花蓮【完結】
あたしは受け入れることは出来なくて。

気付いたら思い切り突き飛ばしていた。







ドスンと豪快に尻もちをつく哲。




「いつっ…」


「あ、ごめん…」






気まずそうに頭を掻いてから哲は


「俺こそ、何もしないって言ってたのに…ごめん」



あたしに頭を下げて謝った。







そこまでしなくてもいい。


そうじゃないんだ。






「俺…何もしない内に寝るわ」


「あ、うん」


「麻美ちゃんは?」


「あ…あたしも寝るかな」


「うん」






まだ九時も回ってない。


こんな時間に寝るなんてこと、滅多にない。





「眠れなかったらテレビつけてていいし、冷蔵庫とか勝手に開けていいよ」


「あーうん」


「あ、でも、お風呂は俺が仕事行ってからにして!」


「え?」


「そりゃ、ダメでしょ!生殺しだ!とにかくわかった?!」


「あーはい」





哲の勢いに負けて頷く。
お風呂、入りたかったんだけど…。



しょうがないな。
意味わからないけど。
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