花蓮【完結】
一、男に媚を売らない
向かってくる風があたしを凍えさせた。

この季節の風は酷く冷たい。






あの河原には…誰もいなかった。




光は散った後?

それともまだ集まってない?

この時間なのに誰もいない…?








バイクから降りて、あたしは光がいつも溜まってる場所を歩く。

じゃりじゃりと、小石がぶつかり合うその音だけ自棄に耳につく。






「……」






何か、おかしい。






橋の下に…何かが見える。

…なんだ?







あたしはそこまで走って行くと、そこにいたのは…。








「さ、佐緒里!こと!」






気を失ってる佐緒里と琴子だった。



二人の顔面は真っ赤な血と、あざで腫れあがっていた。


それに少し破れた制服。








……なんだよ、これ。






こいつらだって決して弱くない。


集団でリンチしないとこんな風にはなんねーぞ?
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