ビー玉
「明穂?」
「…あ、ごめんっ」
矢恵に名前を呼ばれるまで、わたしは完全に蓮実くんに見惚れていた。
「明穂いいな~」
「え、なにが?」
廊下を歩いている間も、わたしは蓮実くんが頭から離れなかった。
ふわふわ、そんな感じ。
足取りがなんだか変だった。
「廉と席近くて羨ましいよ」
「…えっ」
思わずドキッとした。
驚いて矢恵を見ると、矢恵は前を向いたまま笑っているだけだった。
「廉かっこいいし、おもしろいから人気なんだよね。
いいな~、廉みたいな人と付き合えたらさ。自慢だよね」
「あ…そうなん、だ」
彼はそんな人なのか…
それにしても、