ビー玉
***
「そんな男、今時いるの?」
「いるよ!」
…きっと。
「ふーん…
でもまあ、明穂の純粋な所は汚さないで欲しいよね。
じゃないとお母さん泣いちゃう」
「もうっ」
「ごめんごめん」
笑いながら、矢恵がシェイクを飲んだ。
そんな矢恵を見ながら、さっきの言葉を思い出す。
“そんな男、今時いるの?”
…いるよ、きっと。
心の中で自分に言い聞かせるように、わたしも目の前のシェイクに手を伸ばした。