プレイボーイとのラブバトル?②短編
「キミめっちゃ可愛いじゃんっ!
名前なんて言うの?
あ、鈴木?鈴木何ちゃん?」
やっぱり.....。
「すっ鈴木です。それだけでいいでしょ?
遅刻するからほんと
降りてっ!」
強引に健也を押し倒した私。
あの時は遅刻しないかするかで
それだけしか頭になかったんだ。
「愛梨ちゃんおっちょこちょいだから
俺が愛梨ちゃんを守ってあげる♪」
「は?あんたバカ?」
朝からこの人は何を言っているの...?
「俺が愛梨ちゃんのガードマンに
なってあげてもいいけど?」
「結構ですっ!」
私はその場から逃げようとした。
「待って、車乗ってかない?」
そう言って健也が指をさした
方向にはこれまた立派な車。
一体どうしたらこんな車を買えるの...?
噂で聞いたことがある。
健也は石川グループの御曹司だって。
やっぱり噂は本当だったんだ。
「けっ結構ですっ!」
「あっ、ちょっと!」
まだ何か言っている健也を置いて
私は、夢中に学校に走って行った。
「信号ちゃんとみろよーっ!」
後ろから叫んでいる健也の声を
何度も頭のなかで繰り返しながら
走ったあの道をまだ
忘れない─。
結局私は遅刻をしたんだけどね─。