…+*狼×狼@Cafeteria*+…
俺には、こいつが何のために
そんなことを聞くのか、わからない。
それより何より、なんで俺のしてきたことがばれたのか、
それが、わからない。
「わたし、次の日…
先輩の教室、行ったんです。
先輩のクラスメイト達がいる前で、
先輩の正体を明かしてやることこそ
彼への復讐には、相応しいって。
それで、彼の教室の出入り口付近にいた人に
先輩はいるかって、聞きたいことがあるって
言ったんです。
その時ですよ、わたし…
今でも覚えてる、この左手首を掴まれて、
そのまま引き寄せられたかと思えば
次の瞬間には、公衆の面前で
一番憎んでいた相手に
ファーストキスを奪われた。
しかも、あろうことか、ディープキス。
冷やかされましたよ?
ラブラブだって…
彼は整った顔立ちの人気者でしたから
もう、女も男もキャーキャーキャーキャーお祭り騒ぎ。
そんな状況の中で、
わたしが彼を振ったところで、
彼の正体をばらしたところで、
一体、誰が信じたと思います?
もー、いい。
そー思って、立ち去ろうとした時
いきなり後ろから覆い隠さるように抱きしめられて
こー呟かれた。
"俺は、盗み聞きする女も
飼い主の手を噛むような、忠誠心のない女も
嫌いでねぇ?
終わりに、しよーや?"
…て、ね?
なんで、わたしの計画がばれたのかなんて
知る由もない。
でも、もー、わたしの中の
プライドも、信頼する心も、
ズタズタですよ?
僅かに残っていた期待も打ち砕かれて
わたしは、死ぬことさえ考えた。
でも、それを止めたのは
わたしの中に唯一残った
優越心だったんです。」