…+*狼×狼@Cafeteria*+…
優越、心………?
「優越感と劣等感。
それこそが人間の感情の中で最も醜く、
そして、最も便利な心理だって
わたし、そー気付いたんです。
彼に裏切られてから。
彼が、自分を見失うスタート地点は、
人間を価値や地位、評価でしか見れなくなったことで、
まぁ、そりゃ、他人との比較が入ることは
生きてる限り仕方ないのかもしれないけど
ややこしくなってっちゃうのは、
自分の立場とか、他人からの見られ方が全てって
思い込んじゃうからなのかなって。
でも、わたしは わたしで、優越感に助けられたんですけどね?」
…や、なんかわかった気がした。
俺の女遊びも、言い寄られたり
女を手玉に取ったりしてっと
退屈な日常から抜け出せたよーな優越感が快感だったっつーか。
「……彼は人の感情を思うがままに出来た
なんて錯覚して、自分見失ってるんだって
それを分析出来ちゃったことで、
彼より上で高見の見物できてる、
そー自分に言い聞かせたら
何だか気がすんじゃって。
ホントは、優越感なんてゆー
荒んだ感情なんかに頼りたくなかった。
でも、わたしはわたしで不安定な自分を操るのに
必死だった。
だから、だから……
わたしは、チキンのわたしは、
一番嫌いなモノにお世話になるってゆー
屈辱的で、でもぬるま湯に浸ってるよーな安心感を抱ける
優越感に、助けられてたん、です………」
そー言った彼女の顔は、
泣き疲れて眠ってしまった赤ん坊のようでもあり、
また、疲労困憊の疲れ切った
赤ん坊の母親のようでもあった。