お兄さんがお医者さん
朝になったら、熱は少しさがってて、37度5分くらいまで下がってた。でも、咳がでるようになっちゃってた。
ママとパパがきて、咳がでるね。やっぱり、今日、病院に行った方がいいかなぁって二人で話してる。ママがとりあえず、お兄ちゃんに聞いてからにしようねって言ってお兄ちゃんに電話してた。
お兄ちゃんが私に電話変わるように言ったからって電話に出た。
「もしもし、ゴホッ、まりです。」
お兄ちゃんに、症状とか色々きかれたけど、適当に答えて、大丈夫だからってちゃんと言った。
お兄ちゃんも、ちょっと薬かえるかなぁって言って、処方して帰るからって診察券番号を言った。

眠れないまま、ベッドにゴロゴロしてたら、お昼前になってお兄ちゃんが帰ってきた。
「まりちゃん、どうかな?ちょっと診させてな。まず、熱計ろう。」って体温計を挟まれて、お兄ちゃんは聴診器を持ってた。
聴診も嫌いだけど、頑張っていうとおりにやった。のども診られて、舌を押さえられるのが嫌いなのに、グイッて押されて、オエッってなって涙がでそうになったけど、我慢した。
もうおしまい?って思ってたら、
「ノドが痛いのは扁桃腺が腫れてるからね。咳も喘息じゃなくて、ノドが腫れてるせいで出てるから、ノドの腫れが引いたら、咳も収まるよ。熱はしんどいね。一回、すっきり下がってくれたら、一気に回復するんだろうなぁ。今は38度かぁ。うーん、どうするかなぁ。いろいろ想定して持って帰ったんだけど・・・とりあえず、点滴で抗生剤を入れようね。」
「いやだぁ、点滴したくない・・・」
「まりちゃんは、イヤイヤばっかりで反抗期だね。もう、高校生、もうすぐ大人だよ。頑張れるよね。病院行かなくてもここでしてあげるからね。少しだけ頑張ろう?」
「注射、嫌いなの、イヤなの・・・うーグスッ、嫌われちゃっても嫌なんだもん・・・グスグスっ」
「まりちゃん、まりちゃんのことは嫌いにならないよ。大丈夫よ。安心して?翔?無理に治療してもまりちゃんの恐怖心は取り除けないよ。身体だけじゃなくて、心も診てあげなきゃ・・・」ってママが言った。
「まりちゃん、おれも、まりちゃんは大事だよ。嫌いにはならないよ。どんなに泣いてもいやがっても、大丈夫だよ。それは安心して。いい?」
「うん。グスッ、うーグスッ」
「ほら、もう泣かなくてもいいから。点滴はした方が早く元気になると思うけど、嫌ならもうちょっと様子みてからにしようか?ご飯は少しでも食べれそう?薬飲めてるかな?」
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