お兄さんがお医者さん
朝食後すぐ、回診だって、お兄ちゃんと看護師さんが来た。
「まりちゃん、診察するね。胸の音聞くからね。」って聴診器をあててた。
「次は、ちょっとマスク取るよ・・・口開けれるかな?あーんして・・・はい、いいよ。」ってマスクをつけられた。
「よし、じゃあ、ちょっとだけ頑張ろうね。」って言って私の身体を横に向けた。
何するの?すごく不安でイヤイヤって首を動かしたら、「まりちゃん、1本だけ注射させてな。」ってパジャマのスボンと下着をずらした。
声はあんまりでないけど、イヤイヤって言ってたら、咳が出始めた。
「ほら、まりちゃん、泣かないの。苦しくなるよ。すぐ終わるからね。」って言われたらすぐ、お尻の上の方にチクってきて、ズーンって痛みがきて、涙が出て来た。
「はい、おしまい。もう痛いの終わったからね。泣きやもうね。苦しくなっちゃうからね。」って注射したところを揉まれて、下着とパジャマもなおしてもらった。

お兄ちゃんたちが行っちゃったあと、私はまたウトウトと眠ってた。一日中、うつらうつらと寝て過ごした。
お兄ちゃんは当直あけで本当なら、家に帰ってるんだろうけど、何度も病室に様子を見に来てくれてる。

夕方になってパパも来てくれた。パパが、明日は休みだから、今夜は泊まろうかって言ってくれたけど、大丈夫って断っちゃった。本当はさみしかったけど、もう、子どもじゃないし、我慢しなきゃって思っちゃった。
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