お兄さんがお医者さん
目が覚めたら、うちのリビングのソファーだった。
パパが運んでくれたみたい。
「まりちゃん、目が覚めた?ちょっと診させてほしいんだけど、いいかな?」
「えっ??」
「ちょっと胸の音聞くだけね。いいかな?」
「ううん、いや。」って私が言ったら
パパが、「ごめん、翔君、まりは、診察とか嫌がるんだよ。小さい時から弱かったからかなぁ?まり、翔君はまりがさっき発作でたから心配してくれてるんだよ。診てもらいなさい。」
「ううん。ねぇ、お医者さんなの?」
「うん、そうだよ。だからね、ちょっとだけ、もしもしだけね。襟元のボタン1つだけはずしてくれるかな?」
「ううん・・・」
って嫌がってたけど、さおりさんが助手のようになって、翔さんに聴診器を当てられた。
「まりちゃん、スーハーって息できる?・・・うん、そうだよ。上手だよ。よし、いいよ。」
服をなおしてたら、
「まだ、ちょっとだけ喘鳴があるから、今日は安静にしててね。普段のんでる薬とかあったら見せて?」
「うん。・・・これです・・・」って薬見せた。
「あれっ、まりちゃん、いつも桜総合病院なの?」
「うん。」
「そっか、俺ね、来月から桜総合病院で働くことになってるんだよ。」
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