お兄さんがお医者さん
お兄ちゃんが聴診器もってリビングに戻ってきた。
「まりちゃん、ちょっと胸の音きくよ。はい、吸って・・・吐いて・・・はい、いいよ。うん、ちょっと喘鳴があるね。いつからかな?」
「今日の夕方くらい。」
「ちょうど雨降りだして、ちょっと気温が下がったころかぁ。気圧も影響するよな。夜の薬はいつも通りに飲んだ?」
「うん、飲んだ。」
「じゃあ、吸入をして、頓服で渡してる発作を抑える薬も飲んでおこう。吸入器用意するから、待ってて。」

吸入してもらって、薬も飲んだら、息はすっかりラクになった。
お兄ちゃんに、「ひどくなる前に教えてくれたから、すぐ治まったね。これからも、すぐ言うんだよ。我慢してても治らないからね。」って言われちゃった。
でも、言ったら、病院に連れて行かれたり、注射されたりするかもって思うと怖くって言えないよ・・・。今日だって、すごく勇気が必要だったんだから・・・。
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