お兄さんがお医者さん
坐薬の効果は抜群で熱も夜中は下がってよく寝れた。
朝起きたら、微熱になってた。でも、お兄ちゃんに病院いくぞって連れて行かれようとしてる。
お兄ちゃんはお休みなんだって・・・。
「まりちゃん、行くよ。ほら、歩けるか?」
「うん・・・お兄ちゃん、せっかくの休みにごめんなさい。病院行くことになっちゃって。」
「いいよ。まりちゃんの診察終わったら一緒に帰るし、昼寝くらいしか予定ないし。」

待ち合い室で待ってたら、何人かの患者さんにお兄ちゃんは声かけられてた。
「大山先生?今日は白衣は着てないんです?」
「あっ、どうも、ちょっと妹をつれて・・・」
「今日は診察お休みなんですか?」
「えぇ、休みだったんですが・・・」とかいろいろ声かけられてた。

しばらく待ってたら、呼ばれて、お兄ちゃんが一緒に診察室に入った。
「お待たせしました。あれっ大山先生。あっ、妹さんかぁ。今日はどうされました?」
「昨日の夜、熱が39度2分あり、坐薬を入れて様子を見てました。今朝は37度4分まで下がってたんですが、ここで待ってる間に熱が上がってる感じです。」ってお兄ちゃんが説明した。
「はい、じゃあ、熱計ってみてください。」って体温計を渡された。
体温計を脇に挟んだら、お兄ちゃんが肩を押さえて体温計が落ちないようにしてた。
「いつも、喘息で来てるんだね。薬は飲んでる?」
「はい。」
体温計がなった。お兄ちゃんが見て、お医者さんに渡した。38度9分だって・・・。
「よし、じゃ、胸の音を聞かせてね。服まくって、はい、吸って・・・吐いて・・・。背中もいいかな?吸って・・・吐いて・・・はい、のど見るので口を開けてください・・・はい、いいですよ。喘鳴はないですね。のどが赤くなってるので、2〜3日は熱でるかもしれませんね。食欲はありますか?」
「あんまり無いです。」
「そうですか?熱高いし、脱水気味になってるし、点滴打っておきましょう。抗生剤も入れましょう。いいですか?」
「・・・涙・・・」
「まりちゃん、ほら、お願いしようね。大丈夫だよ。あの、佐藤先生?まりちゃん、注射が苦手なので怖がるんですが、お願いします。」
「はい、わかりました。まりちゃん?大丈夫、すぐ終わるからね。じゃあ、処置室の方のベッドでするから、行ってください。」
お兄ちゃんに連れられて、処置室に行った。奥のベッドに寝かされて、腕を出された。
怖くって、ドキドキして涙が出ちゃう。
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