お兄さんがお医者さん
「よし、じゃあ、ちょっと頑張ろうね。」ってお医者さんが来て左腕を消毒した。
怖くって、腕を引っ込めそうになったのに、お兄ちゃんがしっかり押さえてて、動けない。
「いや・・・」
「大丈夫だよ。ちょっと向こう向いて、見ないようにしような。」ってお兄ちゃんが言ってる時にチクってきた。
「いたっ。いー。」
「はい、おわり、痛かったね、ごめんね。1時間くらいかかるから、何かあればよんでください。」ってお医者さんは行ってしまい、お兄ちゃんがベッドサイドのイスに座った。
「さぁ、まりちゃん、点滴終わるまで寝てていいよ。ほら、いつまでも泣かない。佐藤先生、優しかっただろ?」
「うん。」
「はい、目をつむってごらん。」って言って、トントンって寝かしつけられてしまった。

点滴が終わって、お兄ちゃんと家に帰ってきた。
部屋に連れていかれ、ベッドに横になった。点滴のおかげでだいぶラクになってたけど、まだまだ怠いし、すぐウトウト眠れた。

どれくらい寝たのかお兄ちゃんに起こされた。
「まりちゃん、起きて。おかゆ作ったから食べて。何か食べないと、薬も飲んでほしいし。ほら、大丈夫?」
「お兄ちゃん、作ってくれたの?」
「そうだよ。実は料理は得意なんだよ。一番の得意料理は何だと思う?」
「えっ、うーん、わからない・・・」
「カップラーメンだよ。ハハハっ!」一緒に笑った。
おかゆを食べて薬のんで、また、ベッドに横になった。

次の日には熱は下がってたけど、お兄ちゃんに無理してぶり返したら困るって言われ、学校は休んだ。お兄ちゃんは仕事に行ったんだけど、お昼過ぎと夕方に電話かけてくれた。
すっかり元気で退屈だったからちょっと勉強もしたりして、ゆっくり過ごした。
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