お兄さんがお医者さん
処置室のベッドに連れて行かれ、寝かせられた。
吸入器を看護師さんが持って来て、吸入がはじまった。ネブライザー式だから、しばらく吸入に時間がかかる。
モクモクと出てくる気体を吸い込みながら、段々、ボーっとして来てたら、突然、腕にチクってきた。
「いたっ!涙」
「ごめん。気づかれちゃったか?まりちゃん、寝そうだったから、今のうちにって点滴入れたよ。もう痛くないからね。ゆっくり寝てていいから・・・」ってお兄ちゃんは行っちゃって、看護師さんが吸入をしてくれた。

気がついたら、吸入は終わってたけど、点滴はまだ刺さってた。
まだ、点滴終わってないんだぁ・・・と思ってたら、
お兄ちゃんがベッドのところにきた。
「あれっ、まりちゃん、目が覚めた?熱計ってみようか?」って体温計を挟まれた。
点滴は見るとまだまだ半分以上ある・・・。
体温計が鳴ってお兄ちゃんが取ってみた。
「まりちゃん、熱は少し下がったね。点滴は、これが終わったら終わりにしような。終わったら一緒に帰ろう。あと、40分くらいかかりそうだから、寝てていいよ。」
「お兄ちゃん?仕事は?」
「うん?俺の担当時間は終わったよ。今夜は10時まで担当してたんだよ。さっき、交代したんだけど。まりちゃんの点滴が終わるまで、もう少し時間あるし、ちょっと事務整理してくるよ。」
「もう、10時なの?そんなに時間たったんだ・・・」
「そうだよ。よく寝てたからね。点滴も3つ目なんだよ。ほら、もうしばらく寝ていなさい。」って言ってお兄ちゃんは仕事も戻って行った。
寝るように言われたけど、眠れなくて、ぼんやり点滴が落ちるのを見てた。
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