お兄さんがお医者さん
翌日になっても熱が下がらなくて、お兄ちゃんは仕事があるし、一人、部屋で寝てた。
お昼ご飯とか、用意してくれてたけど、食欲なくてあんまり食べれない。
夕方までずっとウトウトしてたら、お兄ちゃんが帰ってきた。
「まりちゃん、熱計ってみよ。」って体温計を挟まれた。熱は39度あって、お兄ちゃんに病院行くぞって抱き上げられて連れて行かれた。

病院についてもなかなか順番がこなくて、お兄ちゃんにもたれ掛かってウトウトしてた。
どれくらいたったのか、ようやく呼ばれて、お兄ちゃんに支えられて診察室に入った。
お兄ちゃんとお医者さんとで話をしているのをぼんやり聞いてたら、「じゃあ、診察するからね」って聞こえてきて、お兄ちゃんに「ほら、服すこし捲るよ。」と言われ、服を少し持ち上げたところで聴診器が入ってきた。
「・・・うん、胸の音は大丈夫だね。じゃ、お口あけてくれるかなぁ?あーん・・・はい、いいよ。のどは真っ赤だね。熱も高いし、ちょっと頑張っとこうか?」
「何するの?」って思わず聞いたら、
「うん、1本だけ注射打っとこうね。」ってお医者さんは言った。
「イヤ・・・涙・・・」
「まりちゃん、わがまま言わないで、してもらおうな。このまま熱高いのもしんどいでしょ。ほら、ベッドに行くよ。」ってお兄ちゃんに言われた。
「ううん・・・泣」
泣いてるのに、お兄ちゃんとお医者さんは二人でどんどん話しを進めて、ついに、お兄ちゃんに抱き上げられて、ベッドに寝かされた。
うつ伏せに寝かせられて、ズボンと下着を少し下げられ、すぐ、消毒された。
「つめた・・ウッ・・・グスッ・・・」
「冷たかったね。ごめんね。チクってするよ」と言われてすぐ、鋭い痛みが来た。
「いだい・・・う・・・いや・・・」
「はい、おしまい。よく頑張ったね。」って注射したあとを揉まれたけど、痛くって痛くって涙がとまらない。
お兄ちゃんに支えられながら診察室を出た。
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