千年の追憶*番外編*
そして、軽く庭を見渡した。


「これで安心しましたか?
私の願いは叶いましたよ。
次は早時の番です。
キミの願いが叶う事、私も祈っておきましょう。
あぁ。それと。
真の鬼になってはいけませんよ。
どうか、お達者で。」


早時に向けての言葉である事は、あたしにも分かった。


「早時が居るんですか?」


その時、あたしと礼孝様の周りを、清々しい一陣の風が駆け抜けていった。


「あっ。」


「分かりましたか?
早時が今、屋敷を出て行きました。
実は姿を消す術も、伝授しておいたんです。」


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