千年の追憶*番外編*
たまたま通りかかった池の畔で、人影を見つけた私はゆっくりと警戒しながら近寄った。


ぐったりと横たわり動けないでいる人物からは、人とは違う匂いがしたのだ。

―――。

まだ少年だったある日、何だか自分には他の人とは違う、特別な力がある事に気がついた。


親もそんな息子を敬遠するようになり、持て余された私は陰陽師の元へ修行という名の、体の良い絶縁を申し渡された。


そんなこんなで早15年。


とうとう30歳を迎えてしまった。


お陰さまで陰陽師としての力は面白いように開花され、今も匂いだけで人か、そうでないかが分かってしまう。


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