千年の追憶*番外編*
炎に会ったのはその時だ。


あの池の畔にある祠。


聖月という名の鬼が封印され、その後俺が雪路を祀った祠。


水菊を失った忌まわしい場所でもあるが、やはりあの場所には、何らかの不思議な力があるらしい。


驚くほど早く体が回復する。


何度この場所で傷を癒しただろうか。


老いない俺は“人”と関わってはいけない。


俺は現実としてその事を、身を持って学習していた。


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