千年の追憶*番外編*
炎の瞳から静かに涙が伝い、アザの上を滑り降りた。


「早時は、あたしの特別な人なの…。
早時はあたしを…あたしの顔を見て、初めて驚かなかった人だったから…。
早時ならあたしを見てくれるかもしれない。
ずっとそう思ってた。
今更…。今更、この気持ちを捨てるなんて出来ないよ…。」


「…。」


「あたしね、苦しい位に早時が好き。
もっと早時を知りたいの。」


炎はそう言って、潤んだ瞳を近づけてきた。


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