千年の追憶*番外編*
俺は目を閉じて、愛しい水菊の姿を思い出す。


俺だって、忘れた事なんてない。


「水菊は…。
少し目尻が垂れていて、ぽってりとふくよかな唇をした、愛嬌のある顔立ちなんだ。」


何故だろう…?
俺は水菊の事を、炎に話す気になっていた。


「水菊はさ、もう百年くらい前になるかな。
雪路という女に、嫉妬心から殺されてしまってね。」


「え…。」


炎は少し驚いた顔をして、眉を潜めた。


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