千年の追憶*番外編*
―みなぎく―


早時が語ってくれた、水菊という女性。


あたしは、今は亡きその女性に、少なからず焼きもちを妬いてしまった。


「ねぇ、早時。
あたしが水菊の代わりになってあげるよ。
水菊と肌を重ねた事は、ある?」


何て大胆な事を言っているんだろう。


自分を辱しめるような台詞だわ。


でも…。


こうでもしなきゃ、早時はあたしを見てくれない気がする。


あたしは、じりじりと早時に近づいた。

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