千年の追憶*番外編*
早時はあたしと同じ早さでゆっくりと後退り、距離は縮まない。


「炎。」


「なに?」


「もっと自分を大切にした方がいい。」


早時は、その綺麗な顔であたしを魅力しながら、的外れな事を言った。


「早時はバカね。
あたしは自分を大切にしたいから、早時と一つになりたいんじゃない!
今を逃したら、あたし一生後悔する。」


「炎。やめろ。」


「…やめないよ。
だって、この先もきっと。
誰もあたしの事、相手になんてしてくれないもん。」


< 46 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop