千年の追憶*番外編*
あたしは、ゆっくりと早時に向き直り、あぐらをかいて座っている早時を、じっと見つめた。


「どうした?」


早時が少し小首を傾げた。


あたしはそんな早時に、不意うちを食らわした。


素早く抱き着いて、唇を奪ったのだ。


早時は、突然のあたしの行動にびっくりしたのか、そのまま動けないでいる。


あたしは、目を瞑って早時の温もりを感じた。


早時の静かな息づかいまで、分かる距離。


その静寂を破ったのは、叫びにも似た男性の声だった。


「な…な…な…!
何をしているんですか!?
炎!離れて下さい!
早時も離れて下さい!」


慌てふためいた、声の主が近寄って来る。


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