千年の追憶*番外編*
私は、早時に話があると言って引き止めた。


話とは、さて・・・。


何を話そうか。


とりあえず、早時を引き止めたかった。


本来なら祓わなければならない存在の早時。


それが私の仕事なのだが、彼からは邪念が伝わってこない。


そんな悪意のない者を、祓う趣味は私にはなかった。


十中八九怪我の理由も、見当がつく。


むしろ、もう人間に襲われないように、術を授けてさえやりかった。


そうか!それだな!


その話をすることにしよう。


よしよし。


私は、早時の元へ向かった。


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