千年の追憶*番外編*
「早時!早時!
ちょっ…ちょっと待って下さい!
行かないで下さい!」


私は、慌てて早時を呼び止めた。


早時はうんざりした様子で振り向くと、短くため息をついた。


「何だ?
今更自分の気持ちに気がついて、怖じ気づいたのか?」


「まぁ…お恥ずかしながら、そんな所です。
よければ、手ほどきをお願いできないだろうか?
私は、この手の事には、からっきし弱いんです。」


多分、私の顔は真っ赤になっていたはずだ。


早時はそんな私に、またクスッと軽い笑みを浮かべた。


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