千年の追憶*番外編*
玄関へ行くと礼孝様が、ぐったりと弱りきっている男の方を、床に座らせている所だった。


「礼孝様。そのお方は?」


「池の畔で倒れていたんですよ。
ほっておけなくてね。
拾って来てしまいました。」


あはは…。
と、礼孝様は苦笑いをあたしに向けた。


「それで、炎の仕事を増やしてすまないんですが。
その…。
手当てをしてもらえたらと、思いましてね。」


あたしは、ふぅっと笑いながらため息をついた。


「もちろんですよ。
お世話させて頂きます。」


あたしの言葉を聞いて、礼孝様は安堵の表情に変わった。


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