千年の追憶*番外編*
静かで穏やかだったお屋敷に、騒がしい邪魔が入った。


「礼孝。礼孝。居るか?」


野太いダミ声が、玄関から聞こえてくる。


「おい!居ないのか?
不用心だぞ!」


声が、近づいた。


騒々しい来訪者は、勝手に上がり込んだようだった。


「礼孝様。」


あたしは、不安な眼差しを礼孝様に向けた。


「やれやれ…厄介なご仁が、来てしまいましたね。
早時…。
直ぐに、ここを離れなさい。
彼は、私の同業者で…陰陽師です。」


おっとりとした口調には似合わない、凛とした顔付きで礼孝様は早時に忠告した。


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