千年の追憶*番外編*
礼孝様と高彬様。


二人のやり取りする声は、あたしの耳を素通りしていく。


あたしは早時が祓われやしないかと心配で、高彬様に気付かれないように、早時をチラチラと見ていた。


『早時が、無事でありますように!』


あたしは気が気じゃなくて、ずっと心の中で祈っていた。


『あれっ?』


早時が一瞬消えた気がした。


気のせいかな。


そう思ったのは、早時が同じ場所に佇んでいたから。


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