千年の追憶*番外編*
でも…。


「ええぃ!
話し合いなど面倒だ!
礼孝よ。鬼は、貰うぞ!」


高彬様は言うが早いか、早時を一刀の元に斬り捨てた。


あたしの目の前で、あたしだけの特別な鬼が、斬られた胸元から砂煙のように、無くなった。


何の前触れもない、突然の出来事に、あたしは口をあの字に開けたまま数秒間…。


今見た光景を、現実だと理解するには、あんまりの出来事過ぎる。


「いやぁ~!」


無意識にあたしは、大きな声で叫んでいた。


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