千年の追憶*番外編*
「もしかして。
さっきの私の話を、気にしていますか?
そうだとしたら、忘れてくれていい。
こんな事で、炎とギクシャクしたくはありませんから。
今まで通り、仲良く暮らしていきましょう。」


礼孝様は、いたわる様にあたしの頭に手を乗せた。


その温もりが、あたしの中に沁み込んでくる。


もっとあたしに、温もりをちょうだい・・・。


「礼孝様、あたし嬉しいです。」


あたしの頭の上にある礼孝様の手を、右手でそっと握る。


その手を両手で包むように握り直して、自分の頬に当てた。


そう・・・アザの上に。


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