千年の追憶*番外編*
「あたし。こんなんですよ?」


「それは、百も承知です。
私には、それさえも愛おしい。
初めて炎を見た時に、なんて愛らしい娘だと思いました。
余りの可愛らしさに、私はびっくりしたんです。」


「え・・・!?
あの時のあの表情は・・・。
アザに驚いたのでは、ないんですか?」


礼孝様は、クスッと笑って
「違いますよ。」
と、言った。


「とんだ誤解です。」


礼孝様は、あたしの頬から手をどけて、あたしの後ろ頭を支えるようにその手を回した。


すると、礼孝様のお顔が間近に近づいてきて。


チュッと軽く、口づけられた。


「もう誰にも・・・鬼にも、遠慮はしない。
炎・・・。
私のものになって下さい。」


礼孝様は、力強く笑った。


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