嘘吐きな恋人
「準備抜けて誰となにしてるって、聞かないの」


声と一緒に肩に手がかかった。そんなに構われたいの、自慢したいの。

荷物のせいで振り払えないそれに、でも振り向くことはしないまま、言葉だけを吐き出した。


「それで、三浦さんはなんて言われたいの」

「んー、別に。ただちょっと、気になんないのかなぁって」

「話それだけなら、もういいでしょ。それこそあたしには関係ない」


しろのそういった交友関係に口出すつもりはないのだと言外に告げる。

だからもうどこにでも行けばいいのに。そう思うのに。


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