嘘吐きな恋人
1
千沙が泣きそうな顔をしていたから、慰めないと駄目だと思った。
安心させたくて抱きしめて、大丈夫だよ、千沙だけが特別なんだよと何度も言った。
それはすべて、本心だったのだけれど。
伝えれば伝えるほど、千沙は頑なになって、怒ったようなそれでいて泣く寸前みたいな顔でこう言った。
しろはいつも嘘ばっかり。信じられない、と。
だって千沙が信じないからじゃないかと言う言葉を飲み込んで、へらりと笑う。
そうしてごめんねと囁いて、「もうしないから」とキスをして、いろんな言葉を飲み込んだ。
こんなごまかし方ばっかじゃいつかパンクする。どこかでそう思ってはいたのだけれど、どうしていいか分からないままに。
いつしか俺を好きだと言わなくなった千沙が、このときだけは俺だけを見て必死に確認してくれるから、あぁなんか歪んでるなぁと思いつつ、安堵してもいたんだ、本当は。
大丈夫、千沙は、俺を捨てたりしない。
その歪みがまさかあんなに千沙を追いこんでいるとは、俺は気が付けていなかったのだ。
安心させたくて抱きしめて、大丈夫だよ、千沙だけが特別なんだよと何度も言った。
それはすべて、本心だったのだけれど。
伝えれば伝えるほど、千沙は頑なになって、怒ったようなそれでいて泣く寸前みたいな顔でこう言った。
しろはいつも嘘ばっかり。信じられない、と。
だって千沙が信じないからじゃないかと言う言葉を飲み込んで、へらりと笑う。
そうしてごめんねと囁いて、「もうしないから」とキスをして、いろんな言葉を飲み込んだ。
こんなごまかし方ばっかじゃいつかパンクする。どこかでそう思ってはいたのだけれど、どうしていいか分からないままに。
いつしか俺を好きだと言わなくなった千沙が、このときだけは俺だけを見て必死に確認してくれるから、あぁなんか歪んでるなぁと思いつつ、安堵してもいたんだ、本当は。
大丈夫、千沙は、俺を捨てたりしない。
その歪みがまさかあんなに千沙を追いこんでいるとは、俺は気が付けていなかったのだ。