君と歩いた同じ道


確かに苦しくはあったけれど、運動部に所属していたことが幸いだった。

中総体が6月半ばにあり、その後私は部活をやめた。

試合中に腰を痛めたというのは表向き。

実際には友人関係だった。



まぁ、こういう嫌な思いもしたけどこんな時くらい役に立つものだとしみじみ思った。

そんな私は今、体力の低下が激しい。

授業中には具合悪くなるし、階段を昇るだけで息があがる。

流石の私も困った。

私のクラスは4階にあるからしんどい。


「美影は何処がいい?」


1人回想に浸っていたら同じ班の友達に呼ばれた。

そう言えば自己紹介。

私は虹野美影。

長崎の中学生です。

私の学校は生徒数が少なく、2年生はたった53人だけ。

その代わり、小学校から今までを共にしたメンバーだから仲がいい。

修学旅行も楽しみやすいから助かる。


「何処でもよかよー。」

「そう言われても困っとけど…」

「他の人の希望は?」

「一応、出とるよ」

「それなら私、余りでよかよ?」


私がそう言えば、表情を明るくした。

そして再び話し合いが再開された。

私はというと、話を受け流し、相変わらずぼーっとしていた。


私的にこの班は凄く好き。

仲良い男女の友達、そして─…私の好きな人。



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