揺れる心【TABOO】
揺れる心
唇に触れる彼の唇。
図書館の隅、誰の目にも触れない場所で抱き合う二人。
何度も何度も重なり合う唇。
貪るように。何度キスしても足りないかのように。
ゆっくりと唇が離れ、至近距離で見つめ合う私と彼。
「悪い子だね、彼氏がいるのに俺とこんなことしてるなんて」
微笑む彼。指先が私の長い髪に絡み、軽くクルクルと巻き上げている。
深く吐息する私の頭をポンポンと撫でると、彼はそっと離れた。
「今夜、会えるよね?」
私はハッとした。
「今夜は……だめ」
「彼氏と約束?」
間髪入れない問いに、しぶしぶ頷くしかなかった。
そんな私を穏やかに眺めながら、少し寂しそうな顔をし、耳元に顔を寄せてくる。
「俺のために早く別れてよ」
ズキリと胸を刺す言葉。
どちらの手を離したらいいのかわからなくて迷い悩んでいる心の奥を、掴んで揺さぶってくる。
あなたと出会うべきじゃなかった。
あなたと出会わなかったら、きっともっと穏やかな日常を過ごしていた。
「いつになったら、俺だけの君になってくれるんだろう」
抱きしめられる腕の熱さに、罪悪感を覚えながらも甘く酔う。
図書館の隅、誰の目にも触れない場所で抱き合う二人。
何度も何度も重なり合う唇。
貪るように。何度キスしても足りないかのように。
ゆっくりと唇が離れ、至近距離で見つめ合う私と彼。
「悪い子だね、彼氏がいるのに俺とこんなことしてるなんて」
微笑む彼。指先が私の長い髪に絡み、軽くクルクルと巻き上げている。
深く吐息する私の頭をポンポンと撫でると、彼はそっと離れた。
「今夜、会えるよね?」
私はハッとした。
「今夜は……だめ」
「彼氏と約束?」
間髪入れない問いに、しぶしぶ頷くしかなかった。
そんな私を穏やかに眺めながら、少し寂しそうな顔をし、耳元に顔を寄せてくる。
「俺のために早く別れてよ」
ズキリと胸を刺す言葉。
どちらの手を離したらいいのかわからなくて迷い悩んでいる心の奥を、掴んで揺さぶってくる。
あなたと出会うべきじゃなかった。
あなたと出会わなかったら、きっともっと穏やかな日常を過ごしていた。
「いつになったら、俺だけの君になってくれるんだろう」
抱きしめられる腕の熱さに、罪悪感を覚えながらも甘く酔う。
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