不思議電波塔
「何かあったら、また話しかけて」と四季は言った。
「由貴たち、海を歩いて来ているし、何も食べてないし。休ませなきゃ。ユリ強いから、力になると思う」
『確かに休んでおかないと体力持たないね。わかった。こっちはこっちで考えておくから、あんたたちも無茶しないで』
早瀬が答えた。
智が思い出したように言う。
『そうだ。涼、お前のお父さんにはどう説明したらいいんだ?』
「お父さん…。どうしよう」
『私が説明する。大丈夫』
ユリが答えた。
『私と時空管理人はこちらとあちらを自在に行き来出来る。一旦それぞれ対策を考えて情報交換をした方がいい。あと、そちらの世界に通じるような人、人間で、こちらにもうひとりくらいいるといい』
「もうひとりって、さっき言ってた…?」
『そう。由貴と四季と同じくらい書ける人がいい』
「──苳夜…なら描けるんじゃないかな」
由貴が呟いた。
「明日見苳夜。クラスメイト。マンガ家なんだけど。発想力も描ける腕もあると思う。苳夜に聞いてみて。綾川由貴が頼みごとがあるんだけどって」
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