天使の瞳
「あたしもさ、この子と話す仲じゃなかったから良く知らんかってんけど、当時この子と仲良かった子を探してきいてん。んじゃあ、拓斗くんには中3の夏に告ったらしい」
そんなん全然しらん。
って、当たり前か。タク、モテてたけど“告られたー”とか何も言わんし、彼女が居て初めて気づくって感じやったからなー…
自分からは何も言ってこんかったし。
って言うか、それとどー関係があんの?
…あたし。
なんかそう思ってくると、この場所が面倒くさくなってきた。
暫くして、「あっ、」と小さく声を出したタクに視線を送る。
「そう言えば、そんな事あったかも」
「…でも何であたしが関係あるんですか?」
思わず声を出した。
タクが告られたとかどーでもいい。そんな事はどーでもいい。
あたしが今、置かれている立場。それが知りたい。
「この子な、音羽ちゃんの事、嫌いやってんて」
「「は?」」
あたしと誰かの声がハモった。
それは隣に居るタク。
つか何であたし顔も名前だって今知った人に嫌われなアカンの?
おかしいやん。ありえへんやん。
それはあたしが思ってるだけじゃなかった。千穂も晃くんもカナリ驚いている。