天使の瞳
4th

あの時タクが言った“守るから”って言葉なんて信じていなかった。

信じるどころか、その言葉をどう受け止めていいのか分からなかった。



あたしなんかより、


…タクにはもっと守るべきもんがあるんじゃないの?

もっと大切なものがあんじゃないの?


あたしの所為で縛りつけたくない。


でもそうあたしが思っててもタクはいつも姿を現す。




「ねーちゃん、タク先輩」


あの日から口癖のように歩夢は毎日言う。

まもなく昼になろうとしている。


そんな言葉もうっとおしく感じる。


「居ないって言って!!」

「おるって言った」

「今日はもう無理って言って!!」

「つか、ここに居る」


思わず歩夢の後ろを見る。

そこにはニコっと口角をあげたタクがコンビニの袋を左右に振ってた。


その姿を見た瞬間、あたしは蹲ってタオルケットに包まった。


「つか…喧嘩してるんっすか?」


馬鹿弟はいちいち聞かんくても言い事をタクに投げ掛ける。

ほんと、馬鹿ばっか。





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