天使の瞳
「喧嘩っつーか、俺の告白がしつこいから?って感じかな」
そう言ったタクは秘かに笑う。
ホント、アホ。
「えっ!?マジっすか?つーか、こいつの何処がいいんっすか?」
「んー…いい所はどこもない」
「あははは…。そうっすよねー…。んじゃあ、ごゆっくりー…」
ホント、いらつく。
歩夢が姿を消した後、バタン…と閉まったドア。
「なぁ、音羽?アイス食わん?お前、バニラ好きやろ?」
「……」
「なんか言えや」
「帰って」
「答えになってへん。今アイスの話し」
「いらん」
「あっそ」
素っ気なく返してきた後、テレビの音が聞こえる。
つか、ここはタクの家じゃない!!
「マジ何なんタクは!?」
バッと勢いよくタオルケットを取るとタクはカップのアイスのスプーンを咥えたままあたしを見た。
「何なんって音羽と食べようと思って」
「そうじゃなくて、何でいっつも来るん?」
「来たらアカンの?」
タクは何も考えてない素振りでそう言った。