天使の瞳
「アカン」
「何で?」
「…って言うか。タク、友達と遊ばへんの?」
「うん?遊んどるやん」
「遊んでへんやん。毎日毎日ここに来てるんやから」
「だから音羽と遊んでる」
そう言ったタクはアイスを全部食べ終わった後、その開いたカップを持って窓際に行く。
そして窓を開けて煙草を咥えた。
「これ遊ぶって言わん」
「遊んでへんでも会話しとる」
「あたししてないもん」
「ほら、今しとるやん」
タクはカチッとライターで火を点けて、フ―っと外に向かって煙を吐きだした。
「もう…ええわ」
いつも思うけど、タクと会話が成り立たんときがある。
まぁ、そんなんは昔っからやからいいねんけど。
でも、タクの事がいまいち分からん。
タクの心の会話なんてまったく読めんし、考えてる事もタク自信しか分からん。
そんな事考えてる自分自身は嫌やけど、でもそんな事よりも自分の不器用さが一番嫌い。
でも、不思議な気分がした。
タクと居る事によって不思議な違和感があまり起こらなくなった。
なんでやろ。って思った。
タクの存在感であまり気にする事がなくなったんだろうか。
でも逆に考えると、タクにとってあたしはお荷物や。