天使の瞳
18時を過ぎた頃に家を出た。
自転車を漕ぐ後ろに座って最寄り駅までいく。
人でごった返す駅。
それだけでうんざりする。
人混み…嫌い。
目的の駅に着くと、人で溢れかえり屋台がずらっと並ぶ。
「橋の上ってゆーとったけど…」
タクが小さく呟きながら目の先に見える端に視線を送る。
その視線を送った瞬間、何だこれ。と言った集まりが目についた。
千穂に晃くん。いつもの先輩、昔の中学の仲間。
何の集まりなん?って感じの人達。
すっごい笑い声が響く集団を行きかう人達は視線を送る。
「あっ!!音羽!!」
近づくあたしに叫んだ千穂は両手をめいいっぱい上に上げて左右に振る。
「千穂…あたし来た意味あった?」
あまり乗る気じゃなかった為、思わず口に出す。
「もー!!音羽はすぐそー言う事ゆーねんから」
「だってぇ…」
「なぁ?音羽は何か食べたん?」
「ううん」
「んじゃあ、何か買いに行こうや」
千穂は超蔓延の笑みであたしの腕を引っ張った。