天使の瞳

千穂はタコ焼き。

あたしはイチゴのかき氷。


「つか何でかき氷なん?」


溜まり場付近に噴水がある。その噴水を囲むように数人の人が座り、その開いてる所にあたしと千穂は腰を下ろす。

そして、千穂はかき氷をつつくあたしを見た。


「何でって食べたかったから」

「お腹すかへんの?」

「大丈夫」

「へー…」


千穂は熱々のたこ焼きを食べながら腑に落ちない様に呟く。

かき氷の氷の山をストローで崩すあたしは少し離れた所にいるタク達をボンヤリと見た。

楽しそうに笑う声。

そんなはしゃぐタクの姿に、少し罪悪感を覚えてしまった。


多分、きっとタクはほぼ遊んでない。

いつもいつもあたしの家に顔を出してたから。

だから、ほんとに申し訳ない気持ちがある。


「なー、音羽も食べーや」


不意に聞こえた声。

隣にいる千穂はつま楊枝に一個たこ焼きを差し、あたしに差し出す。


「いいわ」

「本間、音羽は食べへんなぁ…。まだ調子悪いん?病院行ったん?」

「うん」


タクがうるさいからバーベキューをした翌日、あたしは病院に行ってた。





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