天使の瞳
「何やったん?」
「ストレスやって」
ストレスからくる痛みらしい。
「まぁ、音羽いろいろあったから無理もないよな」
「……」
「あれから…あれから不思議な事起こる?」
千穂は少し聞きづらそうに言った。
「たまに起こるくらい。でも前みたいに頻繁に起こんない」
「そっか。拓斗のお蔭かもな」
さらっと言った千穂。
でも少しはあたしもそう思った。
少ししてから千穂は立ち上がりゴミ箱に向かう。そして先輩に話しかけられた千穂は笑いながら何かを話してた。
あたしはかき氷を口に含みながら、真っ白な氷をつついて赤く染めていく。
フワっとイチゴの香りが口に広がると、あっという間に消えてった。
「…音羽ちゃん」
ボーっとしているあたしの耳に声が届き、あたしは顔を上に上げる。
「あ…」
見上げる先には晃くん。
晃くんはさっきまで千穂が座ってた位置に腰を下ろし煙草を咥えた。